第7弾 チーフプロデューサー 大澤信博

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――川原礫原作の『アクセル・ワールド』『ソードアート・オンライン』両作品が、アスキー・メディアワークス創立20周年記念作品として、2012年にアニメ化されることになった経緯を教えてください。

私が『アクセル・ワールド』『ソードアート・オンライン』のアニメ化企画を始めたのは2010年のことです。その時点で2012年がアスキー・メディアワークス創立20周年であることは実は知りませんでした。すいません(汗; 『2012年にアニメ化したい!』と企画エントリーした際、初めて原作元のアスキー・メディアワークスさんから『両作品を20周年記念作品としたい』と逆提案があり『こりゃ大変なことになったな』と身が引き締まる思いがしたのを覚えています。

――アニメ化に当たって伊藤監督とはどのようなお話をされましたか?

伊藤監督とは2011年の春にアニプレックス岩上さんと一緒に初めてお会いしました。まだ監督を引き受けていただけるかわからない段階でしたので、なんだかギクシャクした打ち合わせだったのを覚えています(笑)
監督から『この原作をどうアニメ化したいと考えていますか?』と質問され『キリトとアスナと真っ直ぐ向き合ってアニメ化してほしい』と答えたと記憶しています。違ったかな…。

――伊藤監督とお仕事をされるのは、今回が初めてとのことですが、実際にお仕事をされた感想はいかがですか?

若い! センスが良い! テクニシャン! 真面目! そして、なにより作品への取り組みが真っ直ぐで真摯!!
 監督の演出の意図や修正の目的がとても明確なので、スタッフへの指示などを見ていても、とても気持ちが良いです。原作やキャラクターの性格やバックボーンの把握がしっかりしているからだと思います。もう監督には完全にゾッコンラブ(死語)です。

――原作の川原先生とはどのようなお話をされましたか?

二人だけの秘密です☆
ただ…本業の執筆があり、さらに『アクセル・ワールド』『ソードアート・オンライン』両作品ともアニメの現場にがっつり協力いただいて、もう川原さんには『感謝』以外の言葉が思いつきません。

――電撃文庫の三木さんとは『ソードアート・オンライン』アニメ化に当たって、どのようなお話をされましたか?

二人だけの秘密です☆
ただ… 『大澤さんの文章の最後につける☆マークとかがギャルっぽくて気持ち悪いです』って言われたのはよく覚えています☆

――シナリオは既に全話分が上がっていますが、シナリオ会議を終えた感想を教えてください。

アニプレックスの岩上さんと相談して、通常のシナリオ会議とは違う進め方をしました。通常のシリーズ構成マンがいて脚本家が脚本を書いてそれをチェックして…というのではなく、まず原作を分解し、時系列順に再構成し、足りないところを補完し、さらに再構成して各話に割り振って、そうやって全体構成表を完成させるところから始めました。さらに出来上がった構成表からシナリオライターというより編集ライターに近い立場のメンバーにシナリオをお願いしました。私にとっては初めての試みだったので、とても新鮮で刺激的でありました。
 各話のシナリオ会議で印象的だったのは、伊藤監督の『みんなに質問』コーナーです。『この時のキリトは本当はどう思っているのか』『この状況になったら自分ならどう行動するか』など各人の『SAO』観を監督がみんなに聞くコーナーがあって、シナリオライターやプロデューサーだけでなく、原作者の川原さんや担当編集の三木さんにまで聞いて、みんなの『SAO』観を集約してアニメに取り入れようとする監督の前向きな姿勢に少なからず感動しました。
 原作の川原さんにも毎回参加いただき、アイディアやシナリオの補強案も数多くいただきました。感情の流れの整理や時系列的に抜け落ちている箇所を補強していただきました。感謝感謝。

――アフレコも順調に進んでおり、かなり作品の輪郭がはっきりしてきた段階だと思いますが、アフレコをご覧になった感想は?

音響監督の岩浪さんや監督の伊藤さんがキャストの方からキャラクターの感情をうまく引き出してくれて、さらに原作の川原さんが毎回立ち会って、設定的な補強や固有名詞のイントネーションを修正してくれて、もう完璧なチームです。
 印象的だったのは、第一話のキリト役の松岡君。最初のアフレコの時の力の入りようは半端ではなく、もう全編、気合いだけではなくて肩に力が入りまくり(笑) 2回目のテストでようやく肩の力が抜けて、良い感じになりました。主役の松岡君がダビング(音声のミックス作業)にも立ち会ってくれたり、他のキャストの方々も作品にすごく入れ込んで演技してくれていて、作品への愛をたくさんもらってる感じでスタッフもがぜんやる気が出ます。

――既に第1話の映像が完成していますが、第1話をご覧になった感想はいかがですか?

第1話のラストのキリトの叫ぶシーン、ゲームマスターの宣言のシーン――これはもう見ていて震えました。
 あと、個人的に気に入っているのは、キリトが手をギュッと握るシーン。『ここで死ねば、本当に死ぬ』――そのリアリティが怖すぎて、心臓がどきどきしたのを覚えています。そのシーンに限らず、手の演技がとても印象的な話数です。
 1話に限らず、監督を中心とした制作スタッフとキャストの方々の気合いと作品と向き合う真っ直ぐな姿勢が画面から伝わってくる作品に仕上がっていると思います。

――アニメ『ソードアート・オンライン』の見どころを教えてください。

全部です! 足立さんのキャラが可愛くて、モンスターとのバトルがすご過ぎて、キリトの叫びがはらわたまで響きます。
 アインクラッドの中に自分が閉じ込められたような錯覚に陥る、まさに仮想現実を味わうことが出来る作品に仕上がっていると思いますので、絶対に最後まで観てほしいと思います。

――ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

放送を楽しみにしてくださっているみなさん、それから、先日の先行上映会に来てくださった方々、ありがとうございます。
 我々制作者が直接、みなさんの姿を見たり、声を聞いたりする機会はイベントくらいしかありません。その時にファンの皆さんが楽しんでいる姿を見ることが本当に励みになります。こういうファンの方々に支えられて、我々はものを作ってるんだなといつも実感します。
 私はイベントのたびにステージじゃなくて客席を見て、アニメを制作するパワーをもらいます。ファンの方々には本当に感謝の言葉しかありません。
 ファンの方々への恩返しのつもりで全力でTVアニメーション「ソードアート・オンライン」を制作しますので、ファンの皆さんも全力で楽しんでください

ソードアート・クエスト「調査が必要だ:ボス」の
クリアコード:k8kvi4u8xg
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